All Things Are Impermanent

世界は一瞬たりとも同じ状態を留めることは出来ない。

恐ろしいほど輝いていた 松田聖子 <ハートのイアリング>

f:id:impermanent:20150427054909j:plain今から30年以上前、1984年の冬にリリースされた松田聖子19枚目のシングルです。当時の彼女シティポップを歌うアイドルとでも言うか、ユーミンやナイアガラと一緒に大学生のカーステレオから鳴り響いていました。そしてこの曲はニューヨークから帰国間もない佐野元春が作曲を手がけ、第一期・松本隆プロジェクトの最後を飾るシングルとなっています。編曲は佐野元春デビュー当時のアレンジを手がけていた大村雅朗。若かりし佐野はその解釈の違いから大村に対し肯定的な発言を残していない一方で、数年後の大村がこの曲に施したアレンジは、佐野自らがプロデュースを手がけた初期の代表曲「サムデイ」「ロックンロールナイト」といった楽曲へのオマージュがふんだんに盛り込まれたものになっています。これぞリスペクト。それにしても、1981年の「白いパラソル」からこの「ハートのイアリング」まで、シングル15作全てが松本隆のプロジェクトによるもので、稀代のアーティストが集結して制作された楽曲のクオリティは尋常ではありません。しかし、このキラ星のような楽曲でさえ彼女の歌無くしてはここまでの評価を得ることはなかったでしょう。とにかく松田聖子のオーラ、そしてキラキラ感が恐ろしいほど輝いていた時代でした。


◆ 作詞:松本隆
◆ 作曲:Holland Rose佐野元春
◆ 編曲:大村雅朗
◆ 発売:1984年(昭和59年)11月1日