All Things Are Impermanent

世界は一瞬たりとも同じ状態を留めることは出来ない。

キラキラの魔法 松田聖子 <夏の扉>

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1981年4月、僕が高校生になった春にリリースされたシングル。そんなタイミングも相まってか、この曲は僕のキラキラベストテン第1位を30年以上守り続けています。ジャケットこそ落ち着いた雰囲気ですが、このサウンドのキラキラ感は半端じゃありません。

もちろん松田聖子本人の魅力が第一であるとは言え、アレンジを担当した大村雅朗の手腕も並々ならぬものがあります。前年の「青い珊瑚礁」から「チェリーブラッサム」を経て、この「夏の扉」でひとつの完成形を示してくれました。作曲した小田裕一郎でもなければ財津和夫でもありません。松田聖子という優れた素材のギアを上げ、セカンドに加速させたのは間違いなく編曲の大村雅朗なのです。80年代を予感させる新しいサウンドは78年頃から出始めていましたが、そんな動きを敏感にキャッチし、メインストリームに持ち込んだのが当時20代後半の大村だったのです。

そうやって時代の波に乗った松田聖子プロジェクトは、次のシングル「白いパラソル」から松本隆を招き入れ、84年までの4年間(19歳から22歳)にわたって彼女の最盛期を築き上げていくことになります。

◆ 作詞:三浦徳子
◆ 作曲:財津和夫
◆ 編曲:大村雅朗
◆ 発売:1981年(昭和56年)4月21日